2020 年 33 巻 2 号 p. 335-340
【目的と対象】ホルミウムレーザー前立腺核出術 (HoLEP) 施行後の偶発癌, および経過観察中に診断された前立腺癌患者について臨床的検討を行った.
【方法】偶発癌および術後生検で診断された癌 (術後生検癌) に関して, 非癌症例を対照に比較検討を行った.
【結果】全583例中36例 (6.2%) に偶発癌を, これを除く547例中10例 (1.8%) に術後生検癌を認めた. 多変量解析では, 年齢および前立腺生検未施行が偶発癌の有意な予測因子であり, 術後生検癌では術後PSAのみが有意な予測因子であった. いずれにおいても経過観察中に癌死をした症例はいなかった.
【考察】偶発癌の多くは低リスク癌で経過良好であるが, 術後生検癌では高リスク癌も多く, HoLEP術後PSAが高い症例では長期の経過観察が重要と考えられた.