Japanese Journal of Endourology
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症例報告
ロボット支援下前立腺全摘術後に12 mmポートに発生したポートサイトヘルニア症例の報告と今後の予防策についての検討
千葉 量人関根 啓太菅原 翔五島 悠介宮崎 兼考井上 淳永田 真樹
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2021 年 34 巻 1 号 p. 164-168

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抄録

 症例は72歳男性. PSA高値 (59.1 ng/mL) にて近医より当院紹介. 前立腺生検および画像検査にてGleason Score 4+4, cT3aN0M0, 前立腺がんの診断に至りロボット支援下前立腺全摘術および拡大リンパ節郭清を施行. 術後5病日に嘔吐を認め腹部レントゲンにてイレウスと診断. 排ガスを認めていたため胃管やイレウス管などは留置せず絶飲食にて保存治療を行っていたが7病日に大量の嘔吐を認めCTを施行した結果ポートサイトヘルニアによる腸閉塞の診断に至った. 外科へコンサルトしたところ自然還納も期待できるため経過観察となったが, 所見の改善を認めず12病日に開腹手術を施行. 助手用12 mmポートで縫合した外腹斜筋筋膜と未閉鎖の腹膜との間に回腸が迷入していたが腸管の壊死は認めなかった. 脱出腸管を還納し腹膜と筋膜を閉鎖して手術は終了. ヘルニア還納術後3病日より経口摂取再開し9病日に退院した.

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© 2021 日本泌尿器内視鏡学会
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