2021 年 34 巻 2 号 p. 211-215
腎実質は放射状構造を持ち, 腫瘍被膜に近接して鈍的に剥離できる最適な層が存在する. 放射状に腎実質を剥離すれば, 大きな血管を損傷することが少なく出血量の減少につながる. 腫瘍のマージンをできるだけ薄くして鈍的剥離を多用して腫瘍を核出する. 腎洞が開けば, 連続縫合で閉じるが, 腎切離面はソフト凝固で止血して実質縫合はしない.
RENAL highはlow/moderateに比べ阻血時間が長い. なかでもN因子が阻血時間延長に最も関与している. さらに腎洞内に突出している症例は難易度が高く, ときにこぶ状の形状を持つものがあり, CTや術中に腎洞内にこぶ状の突出がある場合には慎重な剥離が求められる.