【目的】新型コロナウイルス感染症の感染拡大により,医師のタスク・シフトが喫緊の課題となった。日本赤十字社医療センター(以下,当院)では救急救命士が従事しており,院内救命士による救急電話対応から,タスク・シフトがどの程度達成できたか定量的に評価することを目的とした。【方法】2020年6月1日~2021年10月13日に記録された,当院の院内救命士が対応した,二次救急患者収容依頼連絡記録および搬送困難事例調整記録を用い,1カ月単位の対応件数および合計対応時間を集計した。【結果】対象期間に二次救急患者連絡3,258件(日勤:1,423件,当直:1,835件),搬送困難事例調整は638件であった。1カ月間に最小で90件,最大で628件の対応があった。また,1カ月間に最小で663分(約11時間),最大で3,364分(約56時間)の対応時間が認められた。【結語】1カ月で90件以上,663分以上,のタスク・シフトを達成することができた。救急救命士はタスク・シフトが可能な医療資格であり,院内における活躍も十分に期待できる。