日本臨床救急医学会雑誌
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調査・報告
ウツタイン様式データにおけるエラー発生の検討
藤江 敬子下鳥 彩香安田 貢橋本 幸一中田 由夫水谷 太郎
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2014 年 17 巻 1 号 p. 49-55

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抄録

目的:ウツタインデータ中に発生するエラーの種類と頻度を調査する。方法:茨城県A 市,B 市,およびC 市消防本部管内で2007 年1 月からの4 年間(B 市のみ3 年間)に発生した病院外心肺停止事例を対象とし,ウツタインデータ中のエラーの種類を分類するとともにエラー発生率を比較した。結果:3 市消防本部のデータからは欠損値,外れ値,矛盾値,およびウツタイン対象外としてA 市で108 件,B 市で86 件,C 市で22 件のエラーが発見され,エラー発生率はそれぞれ18.3%,11.5%,3.1% でC 市のデータ精度が最も高かった。このほかA 市では,「目撃なし」でありながら目撃日時が入力された事例が186 件あった。A 市のデータを傷病名等と照合すると,心肺停止推定原因に誤りのある例が56 件あった。結論:ウツタインデータのエラー発生率には消防本部間で大きな違いがあった。解析上重要なエラーも多数含まれており,このデータを用いた疫学研究の信頼性が懸念される。

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© 2014 日本臨床救急医学会
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