日本臨床救急医学会雑誌
Online ISSN : 2187-9001
Print ISSN : 1345-0581
ISSN-L : 1345-0581
調査・報告
公費助成によるインフルエンザ菌b型,肺炎球菌ワクチン接種が小児細菌性髄膜炎および菌血症の発生に及ぼす影響
長村 敏生市川 光太郎
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 17 巻 4 号 p. 551-557

詳細
抄録

2011年からのインフルエンザ菌b型,肺炎球菌ワクチン公費助成開始を機に,京都第二赤十字病院,北九州市立八幡病院小児科に入院した細菌性髄膜炎34例,インフルエンザ菌または肺炎球菌性髄膜炎および菌血症(小児侵襲性細菌感染症)112例の2007〜2012年の年次推移を調査した。同期間の入院患者は増加傾向にあったが,年間数例みられていた細菌性髄膜炎は2011年に5例とやや減少し,2012年は1例と激減した。なお,両菌が起因菌の73.5%を占めていた。2009年14例,2010年9例認められたインフルエンザ菌性侵襲性感染症は2011,2012年には各1例に減少した。肺炎球菌性侵襲性感染症は2009年(17例)より2011年まで緩やかに減少したが,2012年は激減して1例になった。両市の2011,2012年度の両ワクチンの0歳児接種率は約100%で,両菌性侵襲性感染症の2012年の急激な減少は公費助成の影響と考えられた。

著者関連情報
© 2014 日本臨床救急医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top