目的:ウツタイン統計データにおけるエラー発生の原因を検討するため,消防本部へのアンケート調査を実施した。方法:茨城県内25消防本部に質問票を送付し,ウツタイン統計データ入力のシステムやデータチェック体制,救急隊員への教育状況などを調査した。また,同データの消防本部別エラー件数を求め,各質問への回答結果により層別化したエラー発生率を比較した。結果:全消防本部より回答を得た。データ入力のシステムは消防庁オンラインシステム,同オフラインシステム,独自システムの3種に分かれ,独自システムは救急に特化しない市販パッケージがほとんどであった。データ入力者は出動隊員が80%を占めたが,データの確認や修正への対応,入力の参考資料の使用状況,隊員への教育状況等に消防本部間で差がみられた。エラー発生率は入力システム,データ管理者によるチェックの有無,資料活用の有無との関連が認められた。結論:エラー発生に関わる要因が示唆され,それらの改善が必要と考えられる。