日本臨床救急医学会雑誌
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原著
虚血性大腸炎22例の臨床的検討
小林 晃畑 泰司山本 浩文三井 啓吾鈴木 真紀宮上 寛之
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2017 年 20 巻 3 号 p. 529-533

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抄録

目的:当院で診断した22例の虚血性大腸炎(Ischemic colitis,以下,IC)について発症因子を中心とした臨床像を明らかにすること。方法:平成20年1月より平成26年10月までに当院でICと診断した22例を対象として,後方視的に検討した。結果:高齢女性に多く,左側結腸に病変が多くみられた。壊死型症例は認めなかった。発症因子として,22例中17例(77.3%)が腸管側因子陽性で,11例(50%)が血管側因子陽性であった。65歳以上の高齢者15例のうち11例(73.3%)が,腸管側因子陽性であった。結論:IC の発症には高齢者であっても腸管側因子が関与する割合が高かった。腸管側因子に関する病歴は見落とすことが多く,ICの診断のために便秘や排便時に努責があったかなど誘導的なの質問し,詳細な病歴をとることが重要である。

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© 2017 日本臨床救急医学会
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