2024 年 8 巻 1 号 p. 61-69
【 目的】 緩和ケアチームのコンサルティ看護師の緩和ケアにおける困難感の実態と関連する要因を明らかにする.
【 方法】 コンサルティ看護師1230名に無記名自記式質問紙調査を行った.
【 結果】 「緩和ケアにおける困難感」と『専門職連携を実践する能力』に負の弱い相関がみられた( rs=−.392, p<.001).「緩和ケアにおける困難感」に関連する要因として,〖統合されたケアのためのやりとり〗,緩和ケア研修会の参加回数,がん看護経験年数,コンサルティの頻度が抽出された(調整済み R2=.207).また,〖チーム活動のマネジメント〗能力は,【症状緩和】(β=−.081, p=.042)と【患者・家族とのコミュニケーション】(β=−.120, p=.003)の困難感と負の関連を示した.
【 結論】 専門職連携を実践する能力の向上が,コンサルティ看護師の困難感を軽減する可能性が示唆された.〖統合されたケアのためのやりとり〗の能力の向上や緩和ケアチームとの協働が,コンサルティ看護師の困難感軽減につながると考える.