2025 年 9 巻 1 号 p. 35-45
【目的】 認知症治療病棟で認知症終末期患者をケアする看護師の葛藤を明らかにする.
【方法】 認知症治療病棟で2年以上の経験のある看護師8名に認知症終末期患者の看護を実践する上で抱く葛藤について半構造化面接を行い,質的帰納的に分析した.
【結果】 認知症治療病棟で認知症終末期患者をケアする看護師の葛藤として,【精神科での認知症治療継続と限界から生じる葛藤】,【治療やケアによる活動低下がもたらすことへの葛藤】,【患者・家族と医療者の関係性から生じる葛藤】,【患者の意思が確認できないことに対する葛藤】,【DNAR選択に関する葛藤】,【認知症患者への家族の苦悩から生じる看護ケアに対する葛藤】,【患者と家族関係の間で生じる葛藤】の7つのカテゴリーが抽出された.
【結論】 葛藤が生じやすい状況や場面を看護チーム全体で把握し,話し合いの場を整え,共通認識を持ったケアの必要性について示唆を得た.