日本食品工学会誌
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原著論文
モチ硬化性に影響を及ぼす糯澱粉の理化学特性
小玉 郁子柴田 知佳藤田 直子石川 匡子高橋 徹中村 保典川本 朋彦加藤 和直佐藤 健介松波 麻耶秋山 美展
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2011 年 12 巻 4 号 p. 157-162

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抄録

モチの製造工程において,その硬化工程は最も長い作業時間を要するため作業効率上重要な工程となっている.我々は,収率が高く加工特性にも優れた新しい糯品種の育成を目指しており,この目的のために糊化特性試験,尿素溶解法およびX線回折法を用いてモチ硬化特性を定量的に評価するための方法を検討した.本研究では,糯澱粉の尿素溶解速度を測定し,糊化特性値および相対澱粉結晶化度とモチ硬化性との関係について考察した.従来の尿素溶解法は,室温下で一定溶解時間後の溶解度のみでモチ硬化性の評価を行なってきたが,本研究では経時的に溶解度を測定しその溶解速度を評価指標とする方法を導入した.その結果,評価の精度と汎用性を高めることができたものと考えている.糯品種別溶解速度および相対澱粉結晶化度は糯品種の硬化特性と密接な関係があり,硬化特性が明らかになっていない糯品種の硬化ランクを推定するための有効なパラメータとなりうるものと考えられる.

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© 2011 一般社団法人 日本食品工学会
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