日本食品工学会誌
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原著論文
トコトリエノールの高効率分離精製技術の開発
北川 尚美廣森 浩祐博吉汗 斯琴髙娃関根 敬史天野 義一高橋 武彦木村 俊之米本 年邦
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2016 年 17 巻 1 号 p. 23-31

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抄録

本研究では,米ぬか油由来の脱臭留出物を原料とし,イオン交換樹脂を触媒・吸着剤とするビタミンE類回収法と,擬似移動層型クロマトグラフィによる精製法を組み合わせてトコトリエノールの高純度品製造を行った.まず,ビタミンE類の回収では,回収量が樹脂量に比例して増大し,800倍までの装置のスケールアップが樹脂の吸着能の低下なしに実現できた.その際,回収率はトコフェロールで100%,熱安定性が低いトコトリエノールでも73%となった.また,本回収法で得られたビタミンE類濃縮液の組成は,ビタミンE類以外の成分が遊離脂肪酸37 wt%のみであり,不純物の混入が大きく抑制された.次に,クロマトグラフィによる精製では,夾雑成分が遊離脂肪酸のみであるため,分離の1サイクルに必要な溶離液量や所要時間を各々20%以上削減でき,目的成分の回収率も1.2倍となった.これより,これらの手法の組み合わせがトコトリエノール高純度品を効率的に製造できることが示された.

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© 2016 一般社団法人 日本食品工学会
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