日本食品工学会誌
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微酸性次亜塩素酸水製造装置 (ピュアスター) の開発
土井 豊彦
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2003 年 4 巻 4 号 p. 109-114

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抄録

微酸性次亜塩素酸水は, 従来から使用されて来た殺菌剤が抱えているさまざまな欠点を解消する目的で開発された.その後, 安全性が認められて厚生労働省から食品添加物の殺菌料に指定された.殺菌成分は次亜塩素酸であり, 従来から使用されている次亜塩素酸ナトリウムや塩素ガス溶液の殺菌成分と同一であるが, pHを微酸性域 (5~6.5) に制御することにより, ほとんどの塩素を殺菌力の強い遊離次亜塩素酸の形で存在させて, 低い有効塩素濃度で高い殺菌力をもつのが特徴である.さらに, 電解条件を吟味して次亜塩素酸以外の不純物を生成しない条件を選んだこともこの水の安全性に寄与している.従来の殺菌剤が“薬剤”としてのイメージが強かったのに対して, 微酸性次亜塩素酸水は味や匂いあるいは刺激がほとんどなく水道水に近い性質である.したがって, 使用目的にも制約が少ないため, 食品関連産業をはじめとして幅広い分野での利用が広がりつつある.

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