日本食品工学会誌
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凍結融解法による食品成分の凍結濃縮に及ぼす塩化ナトリウムの影響
イー パンライ脇坂 港白井 義人ハッサン モハメッドアリ
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2004 年 5 巻 2 号 p. 97-103

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抄録

凍結融解法による単一系の食品成分の凍結濃縮に及ぼす塩化ナトリウムの添加効果について本研究では検討した.様々な二成分系の組合せ (例: グルコースー塩化ナトリウム, デキストリンー塩化ナトリウム, 卵アルブミンー塩化ナトリウム, ミルクタンパクー塩化ナトリウム) に対して, 凍結融解による凍結濃縮を試みた.グルコースー塩化ナトリウム系では, デキストリンー塩化ナトリウムよりも大きな凝固点降下が観測された.添加する塩化ナトリウム濃度が上昇すると, グルコース溶液の凍結濃縮の効果は, 低減した.塩化ナトリウムの添加により, デキストリン溶液およびミルクタンパク溶液のいずれにおいても, 凍結融解を施すと, 融解初期に濃縮液を得ることが出来た.このことはすなわち, 凍結融解による食品成分の凍結濃縮において, 凝固点降下が影響を及ぼすことを示唆している.

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