日本食品工学会誌
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マレーシア・インドネシアにおけるパームディーゼル研究動向
山崎 理恵鍋谷 浩志相良 泰行
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2005 年 6 巻 2 号 p. 105-111

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抄録

地球温暖化や資源枯渇などの地球環境問題を背景に, 再生可能エネルギーかつカーボンニュートラルであるバイオディーゼル燃料 (BDF) が怪油代替として注目を浴びている.このBDFの原料となる動植物油脂は地域によって異なり, 東南アジアではパーム油が原料候補である.今回, パーム油の生産量でそれぞれ世界第1位と第2位を誇るマレーシアとインドネシアにおいて, オイルパームおよびパーム油の研究機関を視察し, パームディーゼル研究の進捗状況およびパーム油産業の現状を調査し, 東南アジアにおけるパームディーゼルの実用可能性について検討した.現状では, BDFが軽油と比して高価なために, 東南アジアで生産したBDFをその地域で消費することは困難であり, 技術的, 政策的なブレイクスルーが必要と考えられる.また, 同時に取り組むべき課題として, オイルパームから発生する油以外のバイオマスに関する有効用途の開発が重要であることがわかった.

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