加齢に伴い咀嚼能力が低下してもおいしく味わうことのできる食品の開発には, 食べやすさを評価する技術が必須と考えられている.本研究は, 食感覚の表現として一般的に用いられる擬音語・擬態語により, 食べやすさに関わるテクスチャの要素を示すとともに, 機器計測値との関連性を明らかにすることを目的とした.テクスチャを表す擬音語・擬態語を, 連想される食品の傾向に基づき11グループに分類し代表的な用語を選択した.これら11用語を用いた官能評価と, 万能試験機と圧力分布測定システムを用いた圧縮試験を実施した.擬音語・擬態語により表されるテクスチャに関して, 圧縮試験において測定された物理特性との関連性を回帰分析により評価した.その結果, ひずみ70%の応力が大きく「こりこり」する食品は噛みにくいが, ひずみ10%および30%応力が大きく「さくさく」「しゃりしゃり」「ぱりぱり」する食品は好まれることがわかった.