日本食品工学会誌
Online ISSN : 1884-5924
Print ISSN : 1345-7942
ISSN-L : 1345-7942
ジュール加熱法における電極板面積の影響について
長縄 明大伊藤 博基秋山 美展山田 悦郎
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 9 巻 1 号 p. 43-50

詳細
抄録

ジュール加熱法は, 加熱対象である食品に直接電圧を印加し, 食品の電気抵抗によって発生するジュール熱を用いて加工を行う方法である.これまで, ジュール加熱の発熱現象の解明に関する研究はいくつか報告されているが, 正味の発熱現象を解明した研究は行われていない.そこで, 著者らは, 食品内部の温度分布を非破壊的かつ連続的に観察し, その現象を数値解析により再現することにより, 正味のジュール発熱による温度変化を捉えることができた.しかし, ジュール加熱法を様々な形状の食品に応用するためには, 電極板の面積を変えた場合の検証を行わなければならない.そこで, 本論文では, 試料内に生じる電位分布を計測する方法を提案し, さらに電位分布を考慮した熱伝導問題を解くことにより, 電極板の面積が発熱および熱移動現象に与える影響を解明する方法を提案する.本手法の有効性は, 実験と解析結果を比較することにより行われる.

著者関連情報
© 日本食品工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top