食品と微生物
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脱酸素剤嫌気下での微生物の挙動に関する研究
第1報微生物の生育におよぼす脱酸素剤使用時の包装条件の影響
星野 純藤波 一男上野 一恵
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1985 年 2 巻 2 号 p. 73-79

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抄録

微生物の生育におよぼす脱酸素剤使用時の包装条件の影響を検討し, 次の結果を得た.
1) 偏性好気性菌である細菌, 酵母, カビに対して脱酸素剤は静菌効果の他, 菌を殺す効果もあることが認められた.
2) 酵母や特殊なカビであっても, その生育には分子状酸素が必須であることが明らかになった.
3) 偏性好気性細菌以外の細菌は, 分子状酸素がなくても生育可能であることが再確認された.
4) 酸素透過度の著しく低いフィルムの使用, 二重脱酸素剤嫌気包装, あるいは脱酸素剤使用量の増加などにより, 完全に酸素透過のない包材を使用しなくても, 一般的な脱酸素剤嫌気下で生育可能な酵母やカビの生育を阻止または著しく抑制することが可能であることが明らかになった.

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© 食品衛生微生物研究会
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