食品と微生物
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食鳥肉のカンピロバクター汚染と防止方法
八嶋 務谷口 悦子小野口 勝巳渡辺 恒明加藤 俊彦矢沢 嗣夫
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1986 年 3 巻 2 号 p. 109-114

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抄録

市販食鳥肉と食鳥処理場におけるカンピロバクターの汚染実態調査と防止および除菌対策を検討した.
1. 市販食鳥肉58%, 食鳥処理場内の包装前の肉82.2%, 肝臓・筋胃86.1%, 脱毛後と体52.4%, 冷却水61.8%, 冷却後と体64.9%, 解体施設の作業台66.1%, まな板75%からC. jejuniが検出された.
2. 冷却水の汚染は, と体の汚染に影響を及ぼし, 換水と有効塩素量の不足, と体からの腸内容物の漏出が汚染を高率にしていた. 残留塩素50ppmの冷却水では, 不検出であったが, 冷却後と体からは検出された.
3. と体解体法の食鳥処理場では, 腸内容物の漏出による設備の汚染が著しいことがあった.
4. 肉に付着したC. jejuniを塩素剤により, 完全に殺菌することは困難であり, 30分間, 遊離塩素15~20ppm (残留塩素200ppm) に維持されていた状態でも生残していた. しかし, 水中の菌は容易に殺菌できた.
5. 水槽内の肉付着菌は, 換水や物理的作用を働かせて洗浄しても, 一定数までしか減少しなかった. 洗浄水中に遊離した菌は, 換水により次第に減少していった.
食鳥肉のC. jejuni汚染を防止するためには, 保菌鶏を減少させることが必要であるが, 食鳥処理場においても腸内容物の漏出を抑え, 冷却水や作業台等を介しての汚染を防止しなければならない. 冷却水の換水と殺菌, 作業中の作業台等の洗浄と殺菌あるいは清潔なものと交換するなどが必要である.

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© 食品衛生微生物研究会
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