1992 年 9 巻 3 号 p. 143-150
水系環境由来のVibrio cholerae non-O19菌株を用いて, ヘモリシン産生に対するNa+, glucoseの存在の有無, そして酸素の供給を制限して培養した時の影響を調べた. その結果、酸素を十分供給して培養した場合, Na+はCO-19, 21, 22, 23, 56の5菌株のヘモリシン産生を活性化した. 反対にglucoseはCO-06, 18, 19, 21, 22のヘモリシン産生を抑制した. 酸素の供給を制限すると, 制限することによってCO-06, 19, 21, 23のヘモリシン産生が抑制された. この酸素制限下において, Na+はCO-18, 19, 21の3株のヘモリシン産生を活性化したが, そのほかの6株には影響しなかった.
一方、増殖に対するこれらの要因の影響について, 培地のpH変化を測定することで調べ考察した.