食品と微生物
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簡易Salmonella増菌培地 -Salmosyst (Merck)-の評価
寺本 忠司
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1993 年 9 巻 4 号 p. 239-242

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抄録

随時に使用できるSalmonella増菌培地として開発されたSalmosyst (Merck) の, salmonellaに対する発育支持性, 選択性, 培養温度などについて評価実験を行い, つぎの成績を得た.
1. 供試した, Salmonella 3株はいずれも35℃で18時間培養後108/mlに達し, 充分な発育支持性が確かめられた.
2. Escherichia coliに対して強い選択性が認められた. Citrobacter freundiiおよびKlebsiella pneumoniaeに対する選択性は35℃培養ではほかのSalmonella増菌培地と同様に弱かったが, 35℃で数時間前培養後, 選択剤 (Salmosyst錠) を加えて43℃で培養すれば, これらの菌に対しても充分な選択性が認められた.
以上に加えて, 本培地製品には試験管1本単位で随時にテトラチオン酸増菌培地を調整できる利点があり, 臨床材料および食品のいずれを問わず, Salmonellaの検索に便利で, 価値のある製品と思われる.

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© 食品衛生微生物研究会
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