2006 年 23 巻 4 号 p. 237-241
新たにC.jejuniおよびC.coliのLAMPプライマーが設計されたことを機に, LAMP法を用いて市販鶏肉134検体からカンピロバクターの検出を試み, 培養法との比較を行い, LAMP法の有用性について検討した.
両試験方法において, ともに陽性の検体が24検体 (17.9%), 陰性の検体が99検体 (73.9%) あり, 両法の一致率は91.8%と高かった.また, 成績が異なった検体は, LAMP法陽性, 培養法陰性が10検体 (7.5%), 逆に培養法陽性, LAMP法陰性がわずかに1検体 (0.7%) であった.これらLAMP法と培養法による検出状況についてx2検定を行ったが, 両試験法の間に有意差は認められなかった.
材料の種類別におけるカンピロバクターの検出状況では手羽23検体において, LAMP法では5検体 (21.7%) が陽性であったが, 培養法では1検体も分離されなかった, その他, モモ肉, レバー, 挽肉, ムネ肉, ササミなどでは両試験法による検出率に差異は認められなかった.
今回のLAMP法の成績は, 培養法と比較して遜色ない良好なものであった.
なお, 本稿の要旨は日本防菌防徽学会第33回年次大会 (東京) において発表した.