2006 年 41 巻 2 号 p. 51-56
2003年に台湾の網生け簀養殖スギにハダムシ症が発生した。形態的特徴から寄生種はNeobenedenia girellae に同定された。これは台湾における本虫寄生の初報告である。虫体は59.7%がスギの頭部背側に, 特に目に集中していた (23.7%)。寄生を受けた目の周辺組織では, 固着盤による吸固着とおそらくは前吸盤と咽頭の作用による上皮の物理的傷害および粘液の多量分泌がみられた。目においては, 角膜上皮の肥厚と部分的欠落, コラーゲン繊維層の肥厚と著しい細胞浸潤が認められた。