2016 年 51 巻 1 号 p. 1-7
市販のJ-O-3型ビブリオ病ワクチンを投与した養殖カンパチで頭部上皮組織の剥離,尾鰭の欠損,腹水貯留および眼球炎などビブリオ病に似た症状を呈する疾病が発生した。分離細菌は, V. harveyiに特異的な PCRに陽性を示した。また,topAとmreBとの塩基配列を連結して系統樹を作成したところ,V. harveyiに同定された。分離細菌は感染試験により,カンパチに病原性が確認された。分離株を用いたホルマリン不活化菌体でカンパチを免疫して攻撃実験を行った結果,対照区と比べ免疫区は有意に死亡率が低かった。カンパチで確認されたV. harveyi感染症はホルマリン不活化菌体の免疫で予防できる可能性が示された。