魚病研究
Online ISSN : 1881-7335
Print ISSN : 0388-788X
ISSN-L : 0388-788X
キンギョの穴あき病に関する研究―VI
病魚からの分離菌について
高橋 耿之介川名 俊雄中村 多惠子
著者情報
ジャーナル フリー

1975 年 10 巻 1 号 p. 22-30

詳細
抄録

 1. 5種類の培地を用いて穴あき病病魚患部より細菌の分離を試みた。2. 穴あき病患部からコロニーの性状などによって類別できる細菌の群数は,初期病魚よりは中期病魚のほうが多かったが,終期病魚は中期病魚よりやや少なかった。3. 30尾の病魚のうち10尾以上の病魚に共通してみられた16株について接種実験を行なったところ,9株に病原性が認められた。4. 生化学的性状検査などの結果それらはPseudomonas,Aeromonas hydrophila, Moraxella, Citrobacter, Flexibacter columnarisに分類された。5. それらのうちAeromonas hydrophila(U4株)は皮下および筋肉注射により,皮膚の腫れおよび充血が軽く且つ顕著な潰瘍を起した。この菌は病魚の筋肉の壊死融解の主役をなしていると考えられた。

著者関連情報
© 日本魚病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top