魚病研究
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魚類におけるクロラムフェニコールの吸収および排泄―III
養殖ハマチに経口投与した時の組織内濃度に対する投与法の影響
畑井 喜司雄松島 又十郎岩橋 義人佐々木 正江草 周三
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1975 年 10 巻 1 号 p. 38-47

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抄録

 1. 養殖ハマチに水産用クロロマイセチン散をCPとして50mg/kg(A群:オレゴンペレット, B群:準オレゴンペレヅト)または100mg/kg(C群:準オレゴンペレット)を経口的に1回投与して経時的に各群のCPの魚体内濃度を測定した。2. CPのピーク時までの魚体内濃度はA, C, B群の順に高く, A, C群がほぼ同一でB群がこれらより明らかに低かった。3. 準オレゴンペレットにCPを混入して,オレゴンペレットに混入した時と同程度の魚体内濃度を期待するには約倍量のCPが必要であったが,これは餌料の形状により,給餌時の餌料の散逸の程度に差があることによると推察した。4. 24時間後には魚体内のCP濃度はB, C群で急速に低下したが,これは準オレゴンペレットの消化・排泄速度が早く,それに附随した現象であると推察された。5. 前2報と比較した結果,魚体が小さく,かつ水温の高い条件下で試験した方がCPは魚体内から早く排泄されることを推察した。

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