魚病研究
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胡桃葉条虫3種の寄生を受けたナマズClarias batrachusの腸管の病理学的観察
Abu Tweb Abu AHMEDMuhammad SANAULLAH
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1979 年 14 巻 1 号 p. 1-7

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抄録

 ナマズ類Clarias batrachusの腸管に寄生する胡桃葉条虫3種(Djombangia penetrans, Lytocestus indicus, L. parvulus)の各々について,寄生様式,頭節の構造,宿主の反応と影響を解剖学的並びに組織学的に検討した。D. penetransは宿主腸壁に瘤状結節の形成をおこし,虫体は腸壁を貫通することから3種のうち,最も病害性が強いと考えられた。 Lytocestus属は病害性はやや弱いが, L. indicusは物理的障壁となる結果,腸管の働きを阻害するとともに寄生部位に浅い潰瘍を形成し,L. parvulusは腸管組織の剥離をひき起こした。これら条虫の腸管内の分布,混合寄生および寄生の結果生ずる腸壁のくぼみの大きさは条虫の寄生部位,頭節の形態および寄生様式に関連していると考えられた。

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