抄録
1. 1976年7月,和歌山県内の養殖ハマチから,既報のハマチレンサ球菌症原因菌とは全く異なるレンサ球菌が2株分離された。2. 分離菌は共にβ型の溶血性を示し主要な性状はStreptococcus equisimilisと一致した。また,他の魚類から分離されたStreptococcusとも溶血性や発育性の点で明らかに相違する。3. 眼球の白濁と心外膜炎がみられた魚から分離された菌株は病原性試験においてもいわゆるハマチレンサ球菌症の特徴とされている症状を起こしたことから,本分離菌も同症の原因菌となり得るものと考えられる。