魚病研究
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アユのビブリオ病に対するワクチン経口投与と高張浸漬法の効果
中島 基寛近畑 裕邦
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1979 年 14 巻 1 号 p. 9-13

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抄録

 アユビブリオ病予防のため,同一量のワクチンを用いて経口投与法と高張浸漬法の疾病予防効果を検討した。1. アユ350尾に0.3%ホルマリン死菌ワクチンを0.16g/kg/dayの割合で15日間餌料に吸着させて経口投与し,投与終了後30,60, 90日目に攻撃実験をおこなった。生残率はワクチン投与区で98,86,78%,対照区で86,52,50%でワクチンの効果が示された。2. アユ350尾を高張浸漬法で処理した。ワクチン浸漬処理終了後30,60,90日目におこなった攻撃実験の生残率はワクチン浸漬処理区でそれぞれ100,94,100%,対照区で86,52,50%でワクチンの効果が示された。3. ワクチン稀釈液が反復して使用できるかどうかを検討した結果,浸漬法では少なくともワクチン稀釈液の3回の反復使用が可能であった。このことから高張浸漬法を採用すれぱ,経口投与法の3倍量以上のアユの処理が可能であることがわかった。

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