魚病研究
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キンギョの穴あき病に関する研究―VI
温度の影響について
高橋 耿之介有馬 多恵子森 真朗
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1982 年 16 巻 4 号 p. 173-179

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抄録

 1) キンギョの穴あき病病魚を用い,2.5~30.0℃の範囲で人工感染を,20.0~30.0℃の範囲で自然治癒させることを試みた。2) 7.5~30℃の範囲で感染発病が成立し,20.0~27.5℃の範囲では90%以上の発病率を示した。3) 25℃までは水温が高いほど患部の症状の進行は早かった。終期患部は12.5~30.0℃で出現し,12.5℃で14日,20.0℃で8日,25~27.5℃では5日で達した。4) 実験の範囲では水温が高いほど治癒は早く,治癒率もよかった。治癒率は22.5℃までは常に20%以下と悪く,30℃は常に80%以上と良かったが,25~27.5℃では15~80%と不安定であった。5) 止水槽より循環水槽のほうが良く治癒した。6) 18~23℃が最も流行の可能性の高い水温域と考えられた。

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