1982 年 16 巻 4 号 p. 181-185
1. A.salmonicidaのアマゴに対するLD50を,筋肉内接種法,腹腔内接種法および菌浴法について,実験水温15℃で検討した。2. 供試魚に一定の原産地から得られ,累代飼育されたアマゴを用い,供試菌株に毒力の安定した強毒株を用いたこと,また菌浴法において,食塩水による前処理を行ったことによって,比較的安定したLD50が得られた。3. LD50は,筋肉内接種法で,4.3~5.1×100CFU/fish,腹腔内接種法で,3.0~4.5×103CFU/fish,菌浴法で,2.2~2.7×106CFU/mlであった。4. 魚類の実験感染技法としては,化学療法剤の治療効果の評価などには,筋肉内および腹腔内接種法が,ワクチンなどの効果判定には,菌浴法が適当であると思われた。