魚病研究
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Centrocestus formosanus (NISHIGORI,1924) のメタセルカリアに関する研究―I
養殖ウナギにおけるメタセルカリアの鰓寄生と異常斃死
矢野原 良民影井 昇
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1983 年 17 巻 4 号 p. 237-241

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抄録

 1. 種子島の一養鰻場においてシラスウナギの餌付け後に,ここ数年来,原因不明の大量斃死が発生していたが,その原因としてCentrocestus formosanus(NISHIGORI,1924)のメタセルカリアの鯉寄生によるものであるとの見解を得た。2. クロコウナギ(平均体重0.25g)は,メタセルカリアの寄生を受けると (1)異常遊泳,(2)池底静止,(3)登壁,等の異常行動を呈する。これら種々の異常行動と寄生数との間には顕著な相関関係が認められた。3. メタセルカリアの寄生数が多くなると摂餌不能に陥り,さらに高水温(25℃)飼育のため短期間で衰弱し,それが斃死の原因をなすものと考えられるが,その機構については今後究明したい。4. C. formosanusの第二中間宿主としてウナギを記載し,分布域として種子島を新たに加えた。

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