魚病研究
Online ISSN : 1881-7335
Print ISSN : 0388-788X
ISSN-L : 0388-788X
ウナギ好中球のPAS反応について
長村 吉晃若林 久嗣
著者情報
ジャーナル フリー

1983 年 17 巻 4 号 p. 269-280

詳細
抄録

 1. ウナギ健康魚の末梢血液中の好中球はPAS陽性物質が細胞質全体に瀰漫状に存在する。唾液消化試験の結果,それはグリコーゲンと判断された。2. ウナギに細菌接種後,末梢血液中の好中球の形態に変化が認められたため5つの型に分類した。この分類に従って好中球の経時的変化を調べたところ,菌接種前はI型,II型が中心であったが,接種後III型,IV型およびV型が漸次増加した。3. 好中球のPAS陽性物質の顆粒化は細菌接種で最も顕著であり続いて菌体の超音波破壊上清液,培養濾液,LPSの順に強く認められ,他の異物接種ではほとんど認められなかった。4. 細菌接種,24時間後のウナギの腎臓スタンプ標本においても,PAS陽性物質が顆粒状のIII型とIV型が多数認められた。

著者関連情報
© 日本魚病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top