魚病研究
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ティラピアの卵巣細胞株について
陳 秀男斉 肖〓上野 洋一郎郭 光雄
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1983 年 18 巻 1 号 p. 13-18

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抄録
 Tilapia mossambicaとT.niloticaとの交雑種の卵巣から上皮性細胞よりなる株化細胞を確立し, TO-2と命名した。本株化細胞はLeibovitz's L-15培地に10%の牛胎児血清を加えた培地で31℃のものでの培養を1981年10月から現在まで106代継代している.TO-2細胞は細菌,真菌及びマイコプラズマに感染フリーであった。本株化細胞の増殖に最適の温度は31℃であった。又この細胞は15℃及び24℃でも増殖が可能であった。しかし,37℃ではほとんど増殖しなかった。培地中に加える血清の濃度により細胞の増殖速度は異なった。低い密度で細胞(1.6×102及び1.6×103 cells/25 cm2 flask)の培養を開始した場合のコロニー形成率は約12%であった。80代目の細胞について染色体数を調べたところ40を中心にして24から76の範囲であった。本株化細胞は,EVE, EVEX, EVA及びIPNVに対して,感受性を示した。
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