Vibrio anguillarumがキンギョ,ウナギ,アユおよびマウスを死亡させうる易熱性(70℃,10分間)の菌体外毒素を産生することが確かめられ,そのキンギョに対する致死量は15 μg protein/g fishであった。菌体外産物の毒性は,セロファンをのせた普通もしくはBHI寒天培地を用いて20℃あるいは25℃で,18時間から36時間培養した菌体材料において強かったが,BHIブイヨンにて25℃で24時間培養したものの上澄液には認められなかった。セロファンプレート培養した菌体の超音波抽出物や加熱死菌中には致死毒性をもつ内毒素は検出されなかった。強毒株と弱毒株を比較したところ,前者の菌体外産物の毒性およびアゾカゼインを反応基質としたプロテアーゼ活性は後者のそれらに比べて高かった。