フサリウム菌は主に鰓, 顎脚, 歩脚, 胸部体壁から菌組織を経た胸部中枢神経および胸部腹行動脈に観察された。寄生局所では血球浸潤, 菌糸の被包とメラニン色素沈着および組織の破壊が顕著であった。鰓の症状は感染後斃死までの経過時間の短長により全黒変鰓型と部分国変鰓型の2型に分類できた。全黒変鰓型では鰓の損傷が著しくガス交換の障害が主な死因と思われた。部分国変鰓型では, 胸部の中枢神経や腹行動脈にも菌糸の侵襲が観察され, ガス交換の障害と, 中枢神経等の損傷に起因する障害が複合して死をもたらすものと考えられた。