魚病研究
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クロソイ稚魚の Vibrio ordalii 感染による斃死例とその病理
文谷 俊雄星合 愿一畑井 喜司雄玉井 登窪田 三朗
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1987 年 22 巻 2 号 p. 113-114

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抄録

 1986年夏に, 宮城県栽培漁業センターで飼育中のクロソイ稚魚(体長2.0~3.4cm)に流行病が発生し, 10日間で30万尾中約5万尾の稚魚が斃死した。瀕死魚から細菌が純培養され, それは V.ordalii に同定された。組織検査の結果, 細菌は口腔あるいは鼻腔粘膜からクロソイ稚魚に侵入し, 上顎で病巣を拡大した後, 血行性に全身臓器に感染したものと推察された。従って, 本病は炎症反応がほとんどみられないこと, 全身に浮腫がみられたことなどから急性細菌感染症による敗血症と考えられた。

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© 日本魚病学会
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