魚病研究
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ボラの鱗寄生粘液胞子虫 Myxobolus episquamalis sp. nov.
江草 周三前野 幸男反町 稔
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1990 年 25 巻 2 号 p. 87-91

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抄録

 近年日本沿岸各地でよく見られるボラの鱗の表面にシストを形成する粘液胞子虫を新種として記載した。本種は鱗の頂部の表面に大きい平たい楕円形のシストを形成する。シストを構成する栄養型は多形であるが, 複雑に湾曲分枝する菌糸状のものが多い。胞子は先端がやや尖った楕円形で厚い粘液につつまれる。各寸法の平均値(μm)は長さ8.6, 幅6.8, 厚さ5.1;極嚢は長さ4.4, 幅2.2.魚の鱗寄生既知Myxobolus 3種とは寄生場所, シスト, 栄養型および胞子の形態が明らかに相違する。

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© 日本魚病学会
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