種苗生産され, 海水で飼育中のアユPlecoglossus altivelis稚魚(日齢48~85日)に, 1989年11月下旬大量斃死が発生した。発生条件や外観および解剖所見はブリ稚魚における類結節症とは異なったが, 病死魚の脳からPasteurella piscicidaがほぼ純粋に分離された。分離菌を用いて行ったアユ稚魚に対する病原性試験(4.6×10 4CFU/mlに5分間浸漬)では100%の死亡率が得られ, 死亡魚のすべてからP.piscicidaが分離されたことから, 今回の大量斃死はP.piscicida感染によるものと判断された。