1996 年 31 巻 2 号 p. 99-104
Uvitex 2B 蛍光染色をブリ・ヒラマサべこ病の原因微胞子虫 Microsporidium seriolae の胞子検出法として用いた. 体側筋肉ホモジネートの塗抹標本に Uvitex 2B 染色を施した場合の胞子検出率は, 剖検による“シスト”検出率より高く, 迅速診断法として有用と考えられた. パラフィン切片の Uvitex 2B-H & E 染色では, 成熟胞子のみが明瞭に識別でき, 微胞子虫の発育過程や宿主細胞による胞子の貪食, 被包化, 他器官への輸送などが観察され, 病理組織学的研究にも応用可能であった.