魚病研究
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養殖マハタに発生したウイルス性神経壊死症
福田 譲H. D. Nguyen古橋 真中井 敏博
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1996 年 31 巻 3 号 p. 165-170

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抄録

 1993年および1994年に大分県下で発生した養殖マハタの大量へい死事例(いわゆる転覆病)について検討した. 本病は7月から10月の高水温期(25~28℃)に幼魚および成魚(170~1,850g)に発生し, 鰾の膨張や腹側を上にした異常遊泳を特徴とした. 多くの病魚の脳および網膜の神経組織に空胞が観察され, それらの組織の神経細胞に球形で直径約28nmのウイルス粒子が認められた. また蛍光抗体法および PCR 法によりそれらのウイルスはノダウイルスに同定されたことから, 本大量死はウイルス性神経壊死症(VNN)によると推測された.

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© 日本魚病学会
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