1999 年 34 巻 3 号 p. 155-162
1996年ごろからニシキゴイおよびマゴイ養殖場に皮膚の潰瘍病変を特徴とする疾病が流行し, 病魚から A.salmonicida と思われる菌株が分離された。ニシキゴイ由来菌株はカタラーゼ陰性, マゴイ由来菌株はオキシダーゼ陰性という特異的な性状を示したが, その他の性状および 16S rRNA 遺伝子の解析により, いずれの菌株も非定型 A.salmonicida に分類された。マゴイに対する皮下注射では, 両者とも強い病原性を示し, また自然発病魚に似た穴あき症状を呈した魚も認められた。