2000 年 35 巻 1 号 p. 25-28
ギンザケ卵に対するF.psychrophilum感染条件と実験感染卵内部からの菌の検出について検討した。受精直後吸水前の卵を108CFU/mLの菌液に30分間浸漬した場合には卵内へ侵入し感染が成立したが, 106, 104CFU/mLの菌液では感染しなかった。また, 吸水後の卵及び発眼卵を108CFU/mLの菌液に浸漬しても卵内感染は成立しなかった。実験感染卵の内容物から103~107CFU/gのF.psychrophilumが分離され, 蛍光抗体法で卵内に多数の菌体が観察された。以上より, F.psychro-philumは吸水時にギンザケ卵内へ侵入したと考えられる。