魚病研究
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単生類 Neoheterobothrium hirame のヒラメにおける寄生部位と寄生様式
Hilal Anshary小川 和夫
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2001 年 36 巻 1 号 p. 21-26

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抄録

 ネオヘテロボツリウムはヒラメに着定当初は鉤を用いて鰓薄板基部に寄生した。虫体の成長とともに鰓薄板中央部に移動し, 把握器によって鰓薄板を二つ折りにして寄生した。その後, 鰓弓・鰓耙を経て口腔壁に移動した。口腔壁移動当初は把握器で組織表面を掴んでいたが, 組織の崩壊とともに皮下および筋肉組織を把握した。体後半は宿主組織内に埋没し, 虫体周辺には強度の炎症反応と組織壊死がみられた。鰓弓・鰓耙にも若い成虫は見られたが, 産卵するのは口腔壁の成虫のみと考えられた。

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© 日本魚病学会
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