2002 年 37 巻 4 号 p. 163-168
腹腔内接種により RSIV を感染させたヤイトハタにおいて, ウイルス抗原陽性細胞は肝臓及び体腎よりも脾臓及び頭腎で早期に出現し, 数も多かった。 電顕観察では, 感染魚に特有な肥大細胞中にウイルス増殖像が見られ, さらに死亡魚では, ウイルス粒子が細胞内の他, 崩壊した肥大細胞や細胞血管の周辺などにも散在して観察された。 脾臓や頭腎において RSIV が増殖して形成された肥大細胞は血管を介して他の臓器へも拡がった後崩壊し, ウイルス粒子が放出されるものと推察された。