抄録
2000年および2001年の4月から9月にかけて, 水溶性アジュバント(Montanidae IMS 1312)を添加した冷水病ワクチンを腹腔内接種したアユを河川水で野外飼育した。その結果, 両年とも5月中旬から冷水病が発生し, 2000年は6月中旬まで, 2001年は7月中旬まで死亡が続いた。いずれの年においてもワクチン接種魚の死亡率は無処理魚のそれより有意に低く, ワクチン有効率(RPS)は33.0%(2000年)および39.6%(2001年)になり, 本ワクチンの野外での有効性が示された。