2005 年 40 巻 4 号 p. 197-199
海産魚の脳に寄生して脊椎湾曲症を引き起こす粘液胞子虫 Myxobolus acanthogobiiを検出するため, 虫体のSSU rDNAを標的としたPCR法を開発した。single-およびnested-PCRの検出感度はそれぞれ1 pgと0.01 pg DNAであり, 他の粘液胞子虫8種のいずれとも交差反応がみられなかった。このnested-PCRを用いて養殖マサバと37種の天然魚の疫学調査を行った結果, チダイ, イゴダカホデリ, キタマクラはM.acanthogobiiの宿主であることが判明した。