老年歯科医学
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臨床報告
オンライン診療を活用した摂食嚥下リハビリテーションにより経口移行となった眼咽頭型筋ジストロフィー患者の1例
古屋 裕康菊谷 武伊藤 瑞希市川 陽子佐藤 志穂田村 文誉
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2022 年 36 巻 4 号 p. 315-321

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抄録

 眼咽頭型筋ジストロフィー(Oculopharyngeal muscular dystrophy:OPMD)の嚥下障害により誤嚥性肺炎を発症し経口摂取困難となったが,摂食嚥下リハビリテーションにより経口摂取を再開し,その過程でオンライン診療の活用により経口移行となった症例を経験したので報告する。

 患者は77歳の女性。初診より3年前にOPMDと診断され,緩徐に摂食嚥下障害が進行していた。診断より3年後,誤嚥性肺炎を発症し経鼻胃管栄養となった。自宅退院後,当医療機関に摂食嚥下リハビリテーションの依頼があった。栄養改善,代償法獲得,嚥下訓練により経口摂取を再開した。その後,経口摂取量を増加していく時期において誤嚥リスクに配慮しながらオンライン診療を活用した。オンライン診療では,医療職の同席により全身状態や摂食状況を正確に把握することが可能であった。さらに,対面診療単独よりも頻回な診療が可能となり,摂食嚥下リハビリテーションの機会を増加させた。

 OPMDの嚥下障害に対して栄養改善,代償法獲得,嚥下訓練により経口摂取が再開したことから,継続した摂食嚥下リハビリテーションや嚥下機能評価の必要性が示された。また,オンライン診療の活用は,対面診療を補完する方法として有用であった。

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© 2022 一般社団法人 日本老年歯科医学会
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