日本消化器がん検診学会雑誌
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原著
画像精度と読影精度からみた新・胃X線撮影法の評価
中原 慶太水町 寿伸渡辺 靖友田宮 芳孝米湊 健鶴田 修佐田 通夫
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2007 年 45 巻 3 号 p. 330-340

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抄録
目的:画像精度と読影精度からみた新・撮影法の有用性を明らかにする。対象と方法:車間接胃集検例を対象とした胃癌発見成績と発見胃癌の画像・読影精度について新・撮影法と従来法を比較検討した。結果:1)新・撮影法導入前後の胃癌発見成績:地域・職域検診共に, 従来法期より新・撮影法期に陽性反応適中率, 要精検率の改善が認められた。2)画像精度と読影精度の評価:発見胃癌に対する病変の示現度と悪性度判定の間には有意な順位相関があり, 示現度が良好なほど悪性度判定が高かった。新・撮影法は, 従来法に比べて示現度と悪性度判定のいずれも有意に良好であり, 特に早期癌に対して有用であった。また, 同部位指摘率, 追加撮影率が高く, 発見にきわめて有効な追加撮影が実施されていたが, 基準撮影の精度をさらに向上させる必要があると思われた。結論:新・撮影法は従来法に比べて画像と読影精度の両面で優れ, 今後の普及・充実化が望まれる。
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© 2007 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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