日本消化器がん検診学会雑誌
Online ISSN : 2185-1190
Print ISSN : 1880-7666
ISSN-L : 1880-7666
原著
当センターにおける消化器がん検診の現状と受診率向上策
玉山 隆章岡崎 睦也田村 政紀
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 47 巻 6 号 p. 722-729

詳細
抄録

当センターでは総合健診の一環として直接胃X線撮影による胃がん検診, 便潜血検査による大腸がん検診, 腹部超音波検診を実施している。総合健診受診者獲得のための当センターの取り組みを明らかにし, がん検診受診率向上策を考察した。受診者獲得のために個別健診向けにはホームページやパンフレットを利用した受診案内を, 職域健診向けには業務部門担当者による健康保険組合への渉外活動を行っている。また総合健診当日は原則全受診者に結果説明を行い, 要精検者には精検指示もその場で行っている。この体制のもと, 平成14~18年度の総合健診受診者が翌年も再受診した率は, 10回以上の受診者では85.6%であったのに対し, 初回受診者では45.1%に留まっていた。当センターのような総合健診施設では, 受診者数増加のために初回受診者を新規に獲得する努力を行うだけでなく, 翌年以降も受診してもらうためのフォローアップ体制を全ての職員で整えることが重要である。

著者関連情報
© 2009 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
前の記事 次の記事
feedback
Top